2017年3月30日22:00頃〜 世界的にReadyCLOUDのトラブルが発生しました。
症状は以下の通り
- ReadyCLOUDにはサインイン可能
- ReadyCLOUD上では「ReadyNAS is Offline」と表示されNAS内のフォルダが表示されない
- ReadyNASの管理者画面にクラウドアカウントでアクセスできない
(今まで使えていたユーザー名・パスワードではログインできない) - ユーザーフォルダにはアクセスできない(消えている)
- ローカルの共有フォルダはアクセス可能
- ファームウェアVer 6.6.1
【ReadyCLOUDの画面】
ReadyNAS is offline の表示が出て使えない状態…
電源やファイアーウォールは問題なし
【ローカルLAN】
共有フォルダは問題なく表示されアクセス可能
クラウドユーザーフォルダ以外の共有ファイルは問題なくアクセス可能。
但し、管理画面にはアクセスできない。
【ログのスクリーンショット】
ログでは3月30日(木)23:08:09にクラウドユーザーのアカウントが勝手に削除されている・・・
Contents
クラ ウドユーザーのアカウ ントが削除され、ReadyCLOUD がOFFになっている
調べた結果、3月30日23時頃から世界規模ですべてのReadyCLOUDユーザーアカウントが削除され,それらのユーザーのホームフォルダが消えるというトラブルが発生しているようです。
その為、クラウドユーザーで管理していた場合には管理画面にも入れなくなってしまいます。
ちょっと・・ヤバイんじゃないの これ。
クラウドユーザーのホームフォルダにファイルを置いていた場合はこれも消失してしまいます。
通常の共有ファイルをホームフォルダに置いたりはしませんが、個人用のファイルを置いていた人などは大問題。
ホームフォルダのスナップショットなども消えてしまうので、何のバックアップのない場合データの復元は非常に困難になると思います。
原因は調査中とのことですが、OSのバックドアを突いた攻撃だとか、ReadyCLOUDネットワークの不具合などの噂だけが先行している状態。
ま、何はともあれデータは無事だったんだけど、とりあえず管理画面にログインすっか。
対処方法はローカルユーザーでログイン
このクラウドにアクセスできないトラブルはデフォルトの管理者でログインして、管理画面からReadyCLOUDをONにすることで、対応可能です。
デフォルトのIDとパスワードは変更していなければ以下の通り。
ユーザー名 admin
パスワード password
しか〜し!
わたしは管理者パスワードを変更していたのですが、なんと忘れちゃった!という大失態を犯してしまいました。(マジすか・・・)
パスワードが分からないと何も出来ず、やばい状態に陥ってしまいます。
もしかして詰んでしまった?
NASの初期化を行えば、パスワードも初期化出来ますが、それだとデータも消えてしまいます。
大容量のデータはコピーするだけでも相当時間が掛かるので出来れば避けたい。
どうしよう。。
でも普段読まないマニュアルをよく見てみるとありました。解決方法が。
ReadyNAS パスワードリセット方法
もし、ユーザー名やパスワードを変更していた場合、パスワードリセットボタンを使いパスワードを初期状態に戻すことが可能とな。
ReadyOSでは起動時にブートメニューを使用してOSのみの再インストールができることがわかりました。
これにより、OSを再インストールすることで管理者パスワードを忘れてしまった場合でもパスワードを初期状態に戻すことが可能です。
クラウドユーザー以外のデータ領域や設定はそのまま変更されません。
【マニュアルより抜粋】
内蔵フラッシュメモリからディスクに、ファームウェアを再インストー ルします。システムがクラッシュした場合や構成ファイルが破損した場合などに、この ブートモードを使用します。このブートモードを選択すると、ストレージシステムの設定の一部(インターネットプロトコルの設定や管理者パスワードなど)が初期設定にリセッ トされます。
ブートメニューへのアクセス方法
1. NASの電源を切ります。(電源ボタンを2回押します)
2. NASの背面にある、リセットボタンを押したままにします。
写真の赤丸部分 SYSと表示されている所。
3.リセットボタンを押した状態で電源ボタンを押してNASの電源を入れます。
4.ステータスディスプレイに BOOT MENU のメッセージが表示されたら、リセットボタンから手を離します。
5. バックアップボタンを押してブートモードをスクロールします。 ステータスディスプレイに現在のブートモードが表示されます。
6. ステータスディスプレイにOS REINSTALLと表示されたら、リセットボタンを押してすぐに手を離し、選択したブートモードを確定します。
これで、システムは選択したモードで起動します。
※注意 FACTORY DEFAULT を選んでしまうと5分後にすべてのデータが消去され初期化されてしまいますので絶対に選択しないようにしてください。
OS REINSTALL中。
起動中。ここまでくれば安心。
クラウド機能の再有効化
これでローカル管理画面にデフォルトの管理者でログイン出来るようになりました。
必要な人はこのローカル管理画面からReadyCLOUDを再度有効化してください。
ReadyCLOUDをONにして、NETGEARアカウントを入れればOKです。
わたしは今回のトラブルで使う気なし!
元々VPN経由でのアクセスを行ってるので、特に必要ない機能でしたが購入時のデフォルト設定でクラウドユーザーを作成する仕組みになっているので、多くの方が同じようなトラブルにあわれた様です。
ReadyNAS 6.7.0 がリリース
今回の件を受けてかどうか分かりませんが、ReadyNASの最新ファーム6.7.0がリリースされました。
多くのセキュリティ関連のFixも入っているので、わたしも早速アップデートしてみました。
動作的には問題なし。まだの方は早急なアップデートをオススメします。
バックアップの二重化・三重化のススメ
今回のトラブルは改めて、この世に100%安全は無いという事をわからせてくれました。
元々ReadyCLOUD自体は無料のサービスだしね。
さらにこんな話もあります。
ハッカー集団がAppleを相手取り、4月7日までに仮想通貨を支払わない場合、数億件のiCloudアカウントを消去するなどと脅迫。
NAS自体はRAIDで耐障害性が高いのですが、一番多いのは人が介在して消してしまうということ。
大事なデータはNAS以外にもクラウドに頼らないローカル外付けHDDに定期バックアップ。
また他のクラウドサービスも併用して、バックアップの二重化、三重化を強く推奨します。
(ReadyNASでは標準でこれらの機能があります。)
いずれにしても大事なデータを守れるのは自分だけです。
他人や会社に頼っていると痛いことになるかも知れません。