いつかは自然の中で暮らしたい」
「田舎暮らしって、きっと心が豊かになる」
そう思っていた自分が、6年後に再び街(仙台)へ戻る決断をするとは、正直まったく想像していませんでした。
この記事では、
- 2019年に仙台市から川崎町・青根温泉の別荘地へ移住
- コロナ禍で完全リモート+自宅温泉という“理想の生活”を実現
- それでも「田舎暮らしをやめる」と決めた理由
を、綺麗事なし・実体験ベースで書いています。
これから田舎暮らしや移住を考えている方にとって、
「夢を壊す記事」ではなく、後悔しないための記事になれば幸いです。
Contents
田舎暮らしに憧れた理由(2019年)
移住前は、仙台市青葉区宮町という市内中心部に住み、
花京院にはWeb制作事務所と妻のヨガスタジオがありました。
2018年ごろからゆるキャンの影響でキャンプにハマり、
- 自然の中で暮らしたい
- いつかは田舎でのんびり
- 別荘暮らしへの憧れ
そんな思いが強くなっていきました。
私は田舎育ち、妻も小さい頃から田舎暮らしに憧れを持っていたこともあり、
川崎町・青根温泉の別荘地で、ちょうどいい物件に出会ったのをきっかけに移住を決意。
川崎町の移住支援もあり、タイミングとしては完璧でした。
別荘を自分たちで直し、自宅温泉のある生活へ
長い間空き家だった別荘を、自分たちでリフォーム。
- 石油給湯器の設置
- エアコンの取り付け
- 細かい修繕
全部DIYです。
そして何より魅力だったのが、自宅温泉。
毎日温泉に入れる生活は、本当に最高でした。

しばらくは仙台と田舎を往復する生活でしたが、
2020年のコロナをきっかけに仙台から完全撤退。
妻のヨガスタジオは固定費が重く、維持が困難に。
私はほぼリモートワークだったため影響は軽微。
妻もオンラインヨガへ切り替え、完全在宅ワーク生活が始まりました。
誰もが羨むはずの理想の環境
- 周囲は緑だらけ
- 野鳥の声、川のせせらぎ
- 通勤なし
- 毎日自宅温泉
客観的に見れば、「理想の田舎暮らし」だったと思います。
それでも――
気づけば6年が経過し、再び仙台に戻る決断をすることになります。
「もう無理かも」と思った瞬間
決定的だったのは、冬の雪の日でした。
打ち合わせ先から自宅に帰る途中、
別荘地内の山道で車がスタック。
どんどん車が脇道に落ちていく恐怖。
家まではあと500m。
雪の中、車を降りて必死に救出作業をしました。
SUVでも歯が立たない雪。
それ以来、冬に運転すること自体が怖くなりました。
「今日は雪で行けません」と
打ち合わせ先に謝るのも、正直かなりキツかったです。
秋のような良い季節がずっと続けばいい。
でも、現実はそうじゃない。
冬は想像以上に寒く、雪がすべてを止めます。
① 冬の暖房コストが異常
青根温泉は標高約500m。
蔵王の山の天気です。
- 冬は積雪1m に達することも
- 気温は −10℃、最低 −16℃を記録 (この時は水道が凍りました)
別荘は夏仕様で断熱が弱く、
暖房を切ると室内が氷点下になることも。
冬場の光熱費は、
- 灯油代:4〜5万円
- 電気代:3万円
合計 7〜8万円/月。
12月〜4月までは、
「安いアパートに住めるレベルの光熱費」が消えていきます。
② 冬の雪は想像以上にキツい
山の天気なので、冬はほぼ毎晩雪が降ります。
日によってうっすら、数センチ、数十センチ、とにかく降ります。

管理会社が除雪してくれるとはいえ、
- 自分の敷地の除雪
- 車の発掘作業
は自分でやる必要があります。
朝に除雪が入っても、
日中30cm積もって車が出せないこともしばしば。
仕事にも生活にも、確実に影響します。
③ 移動の時間とコストが重すぎる
田舎暮らし=お金がかからない。
これは正直、嘘だと思いました。
- 買い物は最低往復2時間
- どこへ行くにも車必須
- 月1,600〜2,000km走行
ガソリン代もバカになりません。
仙台に住んでいた頃は月500kmでも多いくらい。
生活コストは確実に上がりました。
しかも――
川崎町には魚を買える店がほぼありません。
町内唯一のスーパーは2025年初めに閉店。
今はドラッグストアのみ。
魚が買えない町って、冷静に考えるとヤバいです。
④ 車好きには地獄の環境
- 年中落ち葉
- 蜘蛛がサイドミラーに巣を作る
- 砂利道で即ドロドロ
- 強風で木の枝が飛んでくる
冬の「蔵王おろし」と呼ばれる突風で、
直径10cmほどの枝が飛び、ルーフが凹んだことも。
車も心も凹みました。
⑤ 天気と日照不足で気分が落ちる
山の天気は、晴れの日が少ない。
特に冬場は、
秋田県並みの日照率と言われるほど。
- 毎日曇り
- 雪
- 太陽がほとんど出ない
- 当然、星も月も見えない
気づかないうちに、
気分も沈んでいきます。
「山は住むものではない。遠くから見るもの」
本当にそうだと思いました。
⑥ 家の手入れと虫の物量がヤバい
- 草取り
- 落ち葉掃除(年中)
- 雨・雪ですぐ汚れる窓
- 川の近くで湿度が高く、カビも発生。
仙台に戻ったら、
妻の原因不明のアレルギー症状が収まりました。
虫も覚悟はしていましたが、物量が違う。
- 6月:蟻
- 7月:羽アリ
- 8月:アブ
- 10月:カメムシ
- 11月:テントウムシ
- 12月:カマドウマ
1〜2匹ではありません。
数十〜数百匹単位です。
⑦ そして「停滞」を感じた
川崎町に移住してから、
この地域で受注した新規の仕事はゼロ。
仕事はすべて、
県外・山形・仙台。
50代の自分は、
まだあと10年は働きたい。
街に出るのが、
だんだん楽しく感じている自分に気づきました。
仙台に戻って気づいた「当たり前の幸せ」
- 晴れの日が続く
- 気温が5℃高くて暖かい
- 地下鉄でどこへでも行ける
- 灯油を気にしなくていい
- 魚が普通に買える
- 美味しいパン屋がたくさんある
- 車が汚れない
6年前は当たり前だったことが、
今は全部、幸せに感じます。
田舎暮らしが向いている人・向いていない人
向いている人
- 手間を楽しめる
- 時間とお金に余裕がある
- 仕事をリタイアした後
- 「トカイナカ」志向
※ 山暮らしは正直オススメしません。
向いていない人
- 小さな不便を我慢し続けるのが苦手
- 生活コストを下げたい人
- 仕事を続けながら移住したい人
できれば、
冬を体験してから移住や購入を決めるべきです。
自分は賃貸だったので、そこは救いでした。
それでも田舎暮らしを全否定しない理由
田舎暮らしは、
「人生の充電期間」として最高の経験でした。
大人の夏休み。
美しい自然、ゆっくり流れる時間。

(ベランダから見た風景。こんな所に住んでいました。)
本で読むのと、実際に暮らすのは全然違います。
一生に一度の人生。
チャレンジするのも、悪くない。
ただ――
理想だけで決めると、後悔するかも知れません。
まとめ|田舎暮らしをやめた理由
田舎暮らしは「逃げ」ではなく「選択」。
そして、
やめるのも、立派な選択です。
この体験が、
これから移住を考えている誰かの
現実的な判断材料になれば幸いです。









