実に10年ぶりにメインスピーカーを買い替えました。
選定の条件
・予算20万円前後
・ヨーロッパ製のフロアスピーカー
・毎日つかうものなので音質はもちろん、見た目のデザインも重視
・サランネットの無粋な穴が空いていないもの
・重量20Kg以下
と、悩みに悩んで選んだのはドイツのELAC製3WAYフロアスタンドスピーカー Debut Referenceシリーズの「DFR52」
スリムで美しいデザイン
箱から出したばかりのDFR52は、非常にスリムな筐体が印象的。
ベーススパイクがなければ、ケース幅はわずか 185 mmなのですが、デザイン的にはとても重厚な印象を受けました。
高さ101.6cmのスピーカーはそれぞれ16.7kgの重さがあります。このくらいの重量だとスパイクがあっても設置がすごく楽。
もう歳なんで、30Kg オーバーのスピーカーは懲り懲り。
表面はウォルナットでラミネートされ、前面はマットブラックです。
筐体はラミネート加工を施した MDF パネルで作られています。
これは細部に至るまで見事に成形されており、フロントパネルも非常に高精度で組み立てられています。
ケースのエッジは丸みを帯びた美しいフォルム。
視覚的デザインが非常に優れており、高級感もあり現代のあらゆる生活様式にマッチすると思います。
筐体は金属製のベーススパイクの上に置かれる形で、見栄えもよく安定して設置できます。
Elac のロゴが入った控えめなデザインのアルミニプレートが前面のバスレフポートの下にさり気なく見えています。
前面下部にはバスレフポートがあり、背面にも丸い開口部があります。
フローノイズを避けるため、フロントのバスレフポートが側面で内側に丸くなってました。
これはデュアル・フレア・スロット・ポートと言って、分厚い底板を円筒上に刳り貫き、そこから貫通させたダクトをフロントパネルにあるフレア型ポートに繋げており、メーカーいわく、これで低域のダイナミクスの向上と低ノイズを達成出来たそうです。
スピーカーを隠したい場合は、グレーのマグネット装着タイプのサランネットで隠すことができます。
高級機らしくマグネット式で前面に穴が開いていないのはとても気に入っています。
もちろんスパイクも付いてます。
仕上がりは、この価格帯のスピーカーとしては非常に優秀!
4つのドライバーユニット
Elac Debut Reference DFR52 には前面に 4つのドライバーがありますが、構成は3WAY です。
高域トィーター
新開発ウェーブ・ガイドの採用
ELACのR&Dが長年重ねてきた研究の答えが、物理的にドライバー・ユニットの高周波レスポンスを向上させるウェーブ・ガイド。
上級ラインでも採用されたこのウェーブ・ガイドをトィータ周りに装着したことで、歪みのない放射特性に優れたクリアな高音域を実現。
高域ドライバーは、25 mmのファブリックドームの形で上部に置かれ、内側に湾曲したスチール製の導波管の真ん中にあります。
35kHz までの周波数に対応。
ミッドレンジ
真下には、直径 130 mm のアラミドファイバー ミッドレンジ ドライバーがあります。
写真だと分かりにくいですが、スピーカーのエッジ部分が光を反射して非常に高級感があります。
ウーハー
低音用には同じく直径 130 mm のアラミドファイバー・コーンウーハーを2つ配置してあります。
2つのウーファーもミッドと同じ直径 130 mmなので、統一感があり見た目も非常に気に入っています。
メーカーによると、低域は42Hzまで再生する能力があり、 6Ωの公称インピーダンス、 140 Wの最大負荷を達成しています。
背面には 2 つの丸みを帯びたバスレフポートがありました。
壁に寄せすぎない方が低音が締まるかも。逆に壁に寄せれば低音は増強されます。
バスレフポートの下には、美しいDebut Referenceのレタリングと技術データが記載されたタイププレートがあります。
背面にもある接触端子は、バナナプラグ接続もOKです。
洗練された奥行きのある音
さて、設置後の試聴です。1チャンネルあたり120WのSonos Ampを使って音出しテスト。
環境は24畳のリビングで中央は65インチのLG有機ELとSonos Amp。
まず感じたのはDFR52 は楽器の再現性が非常に高く、温かみのあるチューニングがされていました。
シンセサイザーは心地よい広がりを実現し、ベースの低音は切れが良く必要十分なパンチがあります。
また、DFR52は音に奥行きがあり、音楽に完全に没頭することができます。
低音の再生も快適です。専用のバスレフ開口部のおかげで、DFR52 は多くの空気を移動させることができます。
ピュアオーディオはもちろん、映画鑑賞などにももってこい。
高剛性のシャーシやスパイクのお陰で床への不要な振動が伝わり、音が濁る様なこともありません。
このサイズで華麗で、これほど豊かで輪郭のはっきりした低音が得られるとは思っていませんでした。
このクラスのスピーカーとしては軽く仕上がっているので、剛性を心配してましたがそれは不要でした。
総評
特にアコースティック楽器を使用した楽曲などは、暖かいチューニングのおかげで特徴が増します。
ヴォーカルは優れた存在感を発揮し、2つのデュアルウーファーは切れの良い低音を印象づけます。
視覚的なデザインにも不満はありません。
音のテイストについては好みもありますが、今まで使用してきたスピーカーの中でNo1の出来でありもっと売れても良い品物です。
これまでに聞こえてこなかった音も聞こえてくるようになり、非常に満足度の高い買い物でした。
音はもちろん、現代のほとんどの生活環境にすばらしくフィットするであろうスリムなボディと美しいデザインがとても気に入っています。
DFR52はシンプルな造形ながら、贅沢に装飾された宝石の様なスピーカーです。長く使える相棒に出会えました。